アメリカの動画配信サービスnetflixにてチェスを題材にしたテレビドラマ「クイーンズギャンビット」の放送が10月23日より放映開始されました。
原作は2度映画化され、日本でビリヤードブームを起こした小説「ハスラー」などで知られるウォルターデイビス著です。
1983年に発表されてはじめは作家でありジャーナリストでもあるジェシー・コーンブルースが脚本を書き、チェスプレイヤーでもあった俳優のヒースレジャーも監督・出演を企画していましたが、28歳で急死。彼も物語の主人公、ベス同様に薬物への依存をしており重なる部分があったのかもしれません。時が過ぎ、ようやく映像化された作品です。
Production still/Netflix.
舞台は1960年代、主人公の女性が9歳で孤児になり、メスエンの孤児院に向かった彼女はそこで管理人の男性にチェスを教わり、その魅力にどんどん惹き込まれてゆき、世界王者を目指す物語です。
Photo credit: Phil Bray/Netflix)
COURTESY OF NETFLIX
チェスを題材にしたドラマや映画で肝心のチェスの場面で展開が飛ばされたり、試合へのフォーカスが粗雑な作品も多い中、非常に興味深いアプローチで試合を描いたエピソードをご紹介します。
主人公の “ベス”ことエリザベスが世界王者のボルゴフと対戦
白番のベスのオープニングは “クイーンズギャンビット”
序盤から中盤にかけてはほとんど同等、実はこのゲーム36手目までは実際に1993年にスイスのビエンヌのチェスの大会で指された試合(イヴァンチュク対パトリック ウルフ)で
白番 37手 G4の後、延べ72手で引き分けに終わりましたがコンピューターの解析では大悪手とされていました。
このドラマでは1993年の試合を最新のAIでアナライズし直し37手 Ne6 のち、白46手 Q×f6 で自身のクイーンまでも捨て パスポーンを昇格させることに成功しボルゴフは最終的に投了しました。
(KEI)
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